【保存版】公務員面接の志望動機のポイントを元県庁職員が例文解説
こんにちは。元県庁職員の”やまゆう”です。
面接試験の最初の質問といえば志望動機を思い浮かべる人もいるのではないですか?
志望動機は公務員試験の中でも一番大切といっても過言ではありません。
しかし、次のような方も多いのではないでしょうか?
- 何を書けばいいのか分からないよ
- 上手く書けない
- そもそも福利厚生以外にないよ
実は志望動機には明確に書くべきこと・書いてはダメなことがあります
今回はそのポイントをばっちりまとめて解説しますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
- 志望動機の書き方・コツ
- 書くべき内容5選
- 書いてはいけないこと5選
筆者のプロフィールです!
工学部出身で社会人として月平均80時間残業しながら、8か月間の勉強で受験した公務員試験をすべて合格した実績があります!
もしよければ確認してみて下さい!!
志望動機を問われる理由
そもそもなぜ志望動機を聞かれるのでしょうか?
僕は民間企業も2社経験していますが、民間ではそこまで追求されませんでした。
しかし、公務員試験の面接官は志望理由で詰めておきたいことが2つあります。
公務員の仕事を理解できているか知りたいから
公務員の特性を理解できていないと入職してから悩むことになるでしょう。
志望動機を聞くと「この人は公務員の働き方を分かっているだろうか?」ということが分かります
公務員に対してあまりにもかけ離れたイメージを持っていないかを知りたいのです
公務員の特徴一例
- 非営利である
- 効率を求めていない
- 仕事の進め方は昭和時代
- 成果は評価されない
どのように公共に貢献できるか知りたいから
私は観光誘致がしたくて志望しました。
以前に~~ということがあったからです。
こんな文章だけで終わっていませんか?これは話すべきことの半分しか話せていません。
面接官は志望した理由とこれからのビジョンを知りたいのです。
特に将来ビジョンを忘れていないか?確認が必要です。
この図のような流れで話を進めて、最後は必ず貢献できることで締めましょう。
志望動機に含めるべき内容5選
公務員じゃないとダメな理由
志望動機には「公務員でしかできないこと」を含めるようにしてください。
民間でやればいいじゃん?
こう言われたときに、「公務員でしかできません」と言えるように準備しておきましょう。
例えば、国や地域の発展に貢献したいという志望理由の方。
民間企業でも貢献できますよね?ww
この質問に明確に答えられるでしょうか?
もし言葉が詰まるなら見直しましょう。
実は志望動機を「公務員でしかできないこと」に論理的につなげることは非常に難しいです。
だからこそこのポイントがクリアできれば面接官がうなずく志望動機になるでしょう。
民間企業と公務員の違いは別記事で詳しく解説しています。
ぜひヒントにしてみてください。
ちなみに僕は人口流入のために関係人口を増やしたいと述べました。
関係人口を増やすためには地域の良さを分かってもらうような地域体験イベントが必要です。
これは非営利企業の県のみができることではないか?と思っていました。
よって企業を巻き込んだ活動がしたいため志望した。という流れで語りました。
参考になればうれしいです。
なぜこの自治体じゃないとだめなのか?
あなたの志望動機に「その自治体でしかできないこと。」は入っていますか?
例えば”市”といっても全国には772の市があります。(e-Stat 政府統計の総合窓口)より
そんな多数の”市”の中からあなたが1つを選んだのには理由があるはずです。
この自治体じゃないとダメなんだ。ということを伝えられるようにしましょう。
そのためには自治体研究と自己分析をやり込むことをおすすめします。
自治体と自分のことをよく分かっていると、自然と論理的な理由が溢れてきますよ。
また、地方公務員だと地元出身かどうかによって考え方が大きく変わってきます。
地元の場合
自治体が地元の場合はそれ自体を理由にしてしまうのはアリです。
論理的に筋が通るから突っ込みどころがないですよね。
注意点としては、例えば市役所を受けていた場合に「なぜ県庁ではないの?」と聞かれる可能性があるということです。
地元の場合でも公務員の役割については理解したうえで試験に挑んでください。
また地元愛だけで押し切るのは非常に危険です。
自治体研究はしっかりとした上で受験をしましょう。
例)県庁と市役所の違い
県庁
- 地域と国をつなぐ
- 広域サービスを主導
- 各市の取りまとめ
市役所
- 窓口サービス
- 住民との距離の近さ
- きめ細かな施策
地元以外の場合
違う地域からの受験をする場合は、自治体を選んだ理由を100%聞かれると思ってください。
特に縁もゆかりもない地域の場合は確実に「なぜうちなの?」と思われています。
これはピンチでありチャンスでもあります。
ここで面接官を納得させることができれば熱意が伝わること間違いなしです。
地元以外の自治体に合格した友人にコツを聞いておきました。
参考にしてみてください。
- 少しでも関わりがないか探す
⇒大学・高校etc. - 自治体特有の課題について言及する
⇒解決策を提示する - 足を運んで観光しておく
⇒本気度のアピール
やりたい仕事を具体的に伝える
志望動機にはやりたい仕事を具体的に書きましょう。
- 防災の仕事がしたいです
- 〇〇課の事前復興への取り組みに関わりたいです。
②の方が本気度を感じませんか?
- 希望する部署は?
- どんな仕事に興味があるのか?
- なぜか?
これらは志望動機とあわせて聞かれる定番の質問です。
これらを明確に回答できると、働く意識の高さをアピールできます。
そのためには自治体研究が欠かせません。
しっかりと対策をしていないと踏み込んだ内容には答えられないからです。
特に行政職の公務員には様々な種類があります。
自分の興味のある事業や配属されたい課は調べておくようにしましょう。
あなたの強みとマッチする事業が出てくる可能性は大いにあります。
自治体研究には様々な方法がありますので、本気で公務員になりたい方は早めに始めることをおすすめします。
- 自治体ホームページをチェック
- 広報を読みこむ
- 説明会があれば出席
自分の強みをどう生かせるか?
志望動機には自己アピールを含めましょう。やりたいことだけを述べるだけではダメです。
強みを生かしてどう貢献できるのか?をアピールする場所でもあります。
自己PRについては別記事で解説していますので参考にしてみてください。
次の点を順に考えてみてください。
- あなたの強みはなにか?
- 自治体が求める人材とマッチするところはないか?
まずは自己分析をしてあなたの強みを明確にしましょう。
あわせて自治体研究も進めてください。
その自治体の独自の価値観が必ずありますので見つけましょう。
自分の強みで自治体の目指すビジョンに合うものはありませんか?
例えば次のように合理的につなげられていると説得力が出ます。
志望動機
ふるさとの防災に強い県づくりに貢献したい
強み
計画性があること
⇒先を見通してプランを立てるのが得意
自治体方針
災害に強い強靭な県づくりを目指している
例文)
私は地元〇〇県を防災に強い県にしたいと思い、志望しました。
きっかけは子どものころに東日本大震災をテレビで見たことです。
〇〇県でも近い将来、同規模の大地震が発生するとの予測があります。
愛するふるさとの被害を少しでも軽減したい。防災への思いは人一倍強いです。
また、貴庁の災害強靭化計画の一環である「事前復興計画」に強く共感しています。
自身の強みである「計画性」で貴庁の災害対策業務に貢献したいと考えています。
一緒に働きたいと思ってもらえるか?
このポイントは面接の話し方なのですが、個人的に一番大切だと思ったのであげました。
多少言葉につまったとしても、「この人と一緒に働きたい!」と思ってもらえれば採点が甘くなる可能性は大いにあります。
面接官も人間ですので、感情で採点に多少影響が出てくるのはあります。
志望動機は面接序盤のメイントピックなので、ここで面接官を味方にできると後が楽になります。
面接官にプラスの影響を与えるにはどのようにしたらいいのでしょうか?以下の2点を参照してください。
自信をもって話す
志望動機は自分自身が”公務員になりたい!”と語る一番自信を持っておかないといけない部分です。
自信100%で志望動機を語るようにしましょう。
仮に自分が面接官だとしてどちらの印象がいいですか?
- 自信いっぱいに志望動機を語る受験者
- 不安そうに話す受験者
前者がいいと思いませんか?内容はもちろん重要ですが、伝え方も立派なスキルです。
志望動機は特に自信をもって語れるようにしましょう。
笑顔で前向きに話す
志望動機に限らず面接中は暗い顔は絶対にNGです。
うまく話せなかったとしても暗い顔をするメリットは一つもありません。
どんなに良い志望動機を用意していても、表情一つで台無しになってしまいます。
明るく自分ができる最善を尽くし続けましょう。
書いてはいけないこと5選
嘘はつかない
公務員面接では嘘をつくのはやめましょう。
ここでいう嘘というのは、ありもしないエピソードを捏造することなどをいいます。
※本音と建前は必要です。
嘘をついてはいけない理由は、高確率でバレるからです。
公務員面接は必ず「なぜ?」「いつ?」「どこで?」と深堀する質問を重ねてきます。
試験の緊張感の中で、頭で嘘を考えて筋の通った回答をし続けることはほぼ無理です。
必ずボロが出ますのでやめましょう。
逆に言うと、最適解は真摯に真実を答え続けることです。
実体験や自分の本心を、ありのままに語るだけならどんな人でもできます。
実話なので論理が飛躍したりしないのです。
リスクをとって奇をてらうより、ありのままで回答をし続けましょう。
安定や福利厚生を口にしない
安定していて福利厚生がいいので志望しました。
このニュアンスの言葉を使った時点で、不合格だと考えてください。
公務員を目指す人の中には「安定」「福利厚生」が志望理由の人もいると思います。
しかしそれは絶対に口にしてはいけません。
なぜなら公務員の身分を全く理解できていない。と公言しているようなものだからです。
【憲法第15条 「すべての公務員は、全体の奉仕者」】と定義されています。
分かりやすく解説すると、”自己利益を求めずに国民・住民のために働け”ということです。
安定や福利厚生は自己利益そのものですので、ここを志望理由にすることがいかにズレているか?認識しておく必要があります。
実際に働くと分かりますが、次のように自分を犠牲にしてでも貢献するという姿勢が公務員にはあります。それだけ強い倫理観を持つ必要があります。
- 災害があると家族をおいてでも直ちに出勤しないといけない
- 気象警報が発令されると24時間体制で出勤
- 労働基準法が一部しか適用されない
一つの仕事に固執しすぎない
一つの仕事に固執した志望動機にするのはやめましょう。
え!書くべきポイントで具体的に書こう。言うとったやないかい!
と突っ込みがありそうですので解説します。
まず、やりたい仕事は具体的に書いた方がいいです。
理由は明確なビジョンを持っていることで働く意識の高さをアピールできるからです。
しかし、「その業務だけしかやりたくない。知らない。答えられない。」というのは非常に危険です。
なぜなら公務員は3年~5年単位で異動するからです。
理由は主に癒着による不正防止です。異動により転職するくらい仕事内容が変わります。
公務員独特の異動制度に耐えうるかどうかは面接官も気にしています。
やりたい仕事は具体的に示しつつも、それだけではないことを必ず伝えましょう。
将来的には様々な仕事をこなせるようになりたい。という人生設計をアピールできれば問題ありません。
そういった理由から自治体研究は浅く広い知識を身に着けることをお勧めします。
地元愛だけではダメ!
地元に貢献したいから!
志望動機がこれだけだと弱いので注意して下さい。
地方公務員だと地元の自治体を受験される方が多いのではないでしょうか?
その場合「地元愛」を志望動機にするのはアリです。
ただし、志望動機がそれだけというのは避けましょう。
次のように”地元×〇〇”という具体的なビジョンが必要です。
思考停止で地元だからの一点張りはやめましょう。
- 地元を活性化させるためにこんなことをしたい
- 課題である少子化を解決したい
- 地元民だからこそ魅力を伝えられる
無理に目立とうとしない
公務員試験の志望動機に奇をてらった回答は必要ありません。
本記事で述べたようなポイントさえおさえれていれば問題ないのです。
逆に、アピールしようとしすぎて論理が飛躍したりすることの方が問題です。
面接官は優秀さではなく、次のようなことを見ています。
気取らずにありのままのあなたの良さで勝負してみてください。
- あなたはどのように考える人か?
- どのように行動する人か?
- どのように解決する人か?
まとめ
いかがでしたか?今回は面接のメイントピックである志望動機を外さない方法を解説してきました。
- 志望動機を聞く理由は?
①公務員を理解しているか?知りたい
②どのように貢献できるか?知りたい - 書くべき内容5選
①公務員でないとダメな理由
②その自治体でないとダメな理由
③具体的なやりたい仕事
④強みをどう活かすか
⑤一緒に働きたいと思ってもらう - 書いてはいけないこと5選
①嘘はつかない
②安定・福利厚生
③1つの仕事へのこだわり
④思考停止の地元愛
⑤目立とうとすること
これらをしっかり実行できれば、志望動機は大丈夫です。
自信をもって本番に挑んで下さい。
次回は自己PR版を公開予定です。よろしければ確認してみて下さい。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!!